オリックス･李大浩､活躍の陰に少年時代の極貧生活があった!

ここまで本塁打､打点の2部門でパ･リーグトップに立っているオリックスの新外国人･李大浩内野手｡
13日時点で打率もリーグ5位の.299で､来日1年目から三冠王を狙えるほどの順応を見せている｡

近年､日本球界にやってくる韓国人打者の多くは､期待通りの活躍が出来ずにファンの失望を招いてきた｡
2010年にロッテ入りした金泰均は､1年目こそ21本塁打とまずまずの成績を残したが､2年目の昨季は腰痛の治療を理由に6月に帰国｡
その直後､自ら契約解消を申し出､
｢日本では野球が面白くなかった｣(夕刊フジより)
という言葉を残し､退団となった｡

ただ､この金泰均､来日当初はチームメイトや報道陣に対して積極的にコミュニケーションを図るなど､友好的なところを見せていた｡
しかし､同僚との合同自主トレの様子が面白おかしく報じられ､翻訳されたニュースを母国で読んだ父親が激怒｡
国際電話でこっぴどく説教されて以来､周囲に壁を作るようになってしまったという｡

親子関係が厳格な韓国らしいエピドードだが､金泰均には異国で活躍するだけの強靭なメンタルが備わっていなかったとも言える｡
その点､李大浩にはメンタルでの心配はない｡

現在､身長194センチ､体重130キロの巨体だが､少年時代食うや食わずの極貧生活｡
3歳で父親を亡くして母親とも別れ､祖母に育てられたが､その祖母も高校在学中に他界している｡

そんな厳しい少年時代に育まれた強靭なメンタルとハングリー精神で､韓国球界では2度の三冠王を獲得｡
一方､国民的スターになってからも謙虚な姿勢を崩さず､
｢祖母にできなかった孝行を､ほかの困っているお年寄りにしたい｣(同)
との思いから慈善活動に積極的に取り組んでいる｡
オフには老人ホームへ慰問に訪れ､昨年には自分と同じような境遇の子供に奨学金を渡してきたことが判明した｡

日本球界での三冠王獲得について､
｢最後の10試合くらいになったら､自分の気持ちを表現する｡まだまだ長い｣(同)
と語り､チームの勝利を第一に掲げた李大浩｡
チームは早くも自力優勝の可能性が消滅したが､謙虚で物静かな大砲が更なる爆発を見せれば､後半戦での巻き返しに期待が持てそうだ｡

(2012年7月14日)

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