今オフ､阪神が杉内俊哉を獲得!? 早過ぎる獲得報道に疑問の声も!?

ソフトバンク･杉内俊哉投手が15日､国内FA権を取得した｡
メジャー移籍に関心がないと言われているだけに､早くも今オフの激しい争奪戦が予想されている｡

そんな中､真っ先に獲得の意思を示したのが阪神｡
なんと､杉内がFA権を取得する前の4月9日に､
｢もちろん調査します｣(スポーツ報知より)
と球団関係者がコメントしたというのだ｡

阪神の左投手は先発の能見､岩田に加え､中継ぎの小嶋､新人の榎田が開幕1軍入りするなど､12球団の中でも屈指の戦力を揃えている｡
しかし､長年チームを支えてきた先発左腕の下柳は5月で43歳｡
年齢的な衰えを考えると､新たな先発左腕が補強ポイントとなる｡

そこにぴったりと当てはまるのが杉内だ｡

杉内は三菱重工長崎を経て､2001年にドラフト3位でダイエー(当時)に入団｡
2005年には最多勝･防御率の2冠を獲得し､パ･リーグMVP､さらには沢村賞も受賞した｡
2006年は不調で7勝に終わったが､翌年からは15勝､10勝､15勝､16勝と4年連続二ケタ勝利｡
3年連続200奪三振も継続中で､30歳という若さも大きな魅力だ｡

他球団との争奪戦は必至だが､阪神には大物獲得のノウハウがある｡
2009年のオフにはマリナーズから城島､昨オフはFAで藤井彰と小林宏を獲得｡
いずれもシーズン中から水面下で調査を進め､獲得にこぎつけてきた｡

しかし､今回はどこよりも早く獲得の意思が報じられた｡
在京球団職員は､その裏にある阪神側の思惑を指摘している｡

｢ちょっと乱暴な言い方になりますが､阪神サイドが子飼いのマスコミ関係者にそういう情報を意図的に流したんでしょう｡杉内やソフトバンク､ファンの反応を調べる意味合いもあって･･･｣(リアルライブより)

どうやら､早過ぎる獲得報道の裏には他球団へのけん制の意味合いがあったようだ｡

しかし､気になるのが"ファンの反応"という言葉｡
球界屈指の左腕獲得はファンにとって嬉しいニュースのように思われるが､あるプロ野球解説者は複雑なファン心理をこう証言している｡

｢近年の阪神は補強次第というか､新加入の選手の活躍如何で優勝が決まっています｡補強費や生え抜き選手の査定に対する不満､外様ばかりになった現状に批判的なファンも少なくありません｣(同)

近年､積極的な補強で常勝軍団へと変貌を遂げた阪神｡
しかしファンは勝つだけでなく､生え抜きのスター選手誕生を期待しているのかもしれない｡

杉内獲得にはフロントの交渉手腕だけでなく､ファンの理解も必要となりそうだ｡

(2011年4月24日)

その他のBASEBALLニュース