日米頂上決定戦!? 野球人気の盛り返し図る日本野球界の苦悩

日米クラブチャンピオンチーム同士の決戦案､五輪での野球復活案etc...
現在､野球人気の盛り返しを図るため､ファンを魅了する国際試合増を目指す日本野球界だが､その前途は多難なようだ｡

米大リーグのオールスターを視察し､セリグコミッショナーと日米決戦に関するトップ会談を行った加藤コミッショナーが15日､帰国した｡
最初の会談は､事務方レベルでの具体的な検討､という段階に留まり､日米決戦案は一気に進展とはいかなかったようだ｡
大リーグに精通する球界関係者は､このような見通しを語っている｡

｢日米決戦は､次のWBCが行われる予定の2013年あたりが具体化するかどうかのメドになるのではないか｡(実現には)まだまだ時間がかかる｣

そもそも､日米決戦案が浮上してきたのは米国側からの提案だった｡
新年早々に米国で実現した､加藤コミッショナーとセリグコミッショナーのトップ会談でセリグコミッショナーの方から出された案だ｡
しかも､｢自分の任期の2012年までには｣と具体的な時期まで口にしている｡

大リーグのワールドチャンピオンチームと日本一の対決は､日本プロ野球界誕生以来の悲願であり､加藤コミッショナーにとって異論があるはずがない｡
が､今回のトップ会談でわかったのは､前回の提案はただのリップサービスで､簡単には実現しないというがっかりの事実だけだった｡

もう一つの国際試合問題､｢2010年の五輪に野球を復活させよう｣計画も､やはり思うようにいっていないという｡
国際野球連盟(IBAF)は､野球とソフトボールを単一競技として国際オリンピック委員会(IOC)に採用を訴える方針だ｡
しかし､これに対しソフトボール側は難色を示しているという｡
その理由を関係者はこう明かす｡

｢ソフトボールの方が多くの国で行われており､北京五輪で日本が優勝したことで各国がさらに力を入れている｡それに狭い球場でいいという経済性の問題もある｣

さらに､前出の大リーグに精通する球界関係者はこの問題に次のように明言｡

｢大リーガーが参加しなければ､野球が五輪で復活することは絶対にない｣

球界関係者は口をそろえてこうは話す｡

｢W杯をみてわかった｡日本にも国際試合が必要だ｣

すっかりサッカー人気に置いていかれてしまった日本野球界｡
米大リーグ側が主導権を握っているという現実に､手も足も出ないのか｡

(2010年7月18日)

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