「鳥人間コンテスト」で日大理工が出場できなかった裏事情!
日本テレビ・読売テレビ系で毎年8〜9月に放送され、『24時間テレビ「愛は地球を救う」』『全国高等学校クイズ選手権』と共に"夏の風物詩"と称される『鳥人間コンテスト選手権大会』。第1回大会が行われたのが1977年。2010年度で第33回目。
1997年(第21回大会)は台風直撃の為全面中止、昨年2009年は読売テレビの経費削減を理由に開催を休止することもあったが、現在でも多くのファンがおり、毎年この大会を目指して準備を進めるほど熱心な参加者も多数存在する。
約30年の歴史を持つ同大会だが、その中で第10回大会(1986年)からスタートした競技・人力プロペラ機ディスタンス部門で、圧倒的な強さを誇るチームをご存知だろうか。
同部門で20回中7回優勝の驚異的強さを持つ、常連校・日本大学理工学部航空研究会である。
第11、14、15、17、18、27、29回大会の人力プロペラ機ディスタンス部門で優勝、長年同番組を見ている視聴者なら、一度はその名を耳にしたことがあるはずだ。
前回2008年大会でも、勿論優勝候補に挙がっていた同校であったが、大会そのものに出場しないことが発表され大きく騒がれた。
出場チーム選考方法は、毎年3月頃から書類選考が始まり、航空の専門家が機体の安全性と性能・斬新さを審査し、最終的に読売テレビが出場チームを選出する流れ。
日本大学理工学部航空研究会は、書類選考の段階でまさかの落選をしてしまった。
当然学生たちからは不満の声が噴出。
どうやら、応募締め切り後、主催者が急に新たな条件を出したことが原因で、同チームの機体が審査を通過しなかったそうだが、確かに不合理だ。
大会事務局側は、
「日大側に様々な条件を出したが、受けてもらえなかった」(引用:朝日新聞)
と説明した。しかし一方で、
「日大の機体が悪いわけではない」
とも発言しており、何故日本大学理工学部航空研究会が不出場という結果になったのはハッキリしない。
また、同年にはディスタンス部門に応募した早稲田大チームが、タイムトライアル部門での合格通知が届き、希望と違う部門で出場するという事態も起こった。
同件に関して、一部報道では大会運営側が強豪2チームに対し、
「タイムトライアルに変更してくれなきゃ、書類審査に合格させないよ!!」
と問い詰めたといい、機体の回収と編集に手間のかかるディスタンス部門ではなく、運営が楽で過去2回の大会で1チームずつしか完走していないタイムトライアル部門への変更を強制したというのだ。
「飛距離部門と、06年に出来た時間部門の両方を盛り上げたいというのが方針だ。番組なのでチーム背景や応援内容といった点も配慮する」(同)
と大会事務局側が述べていたが、学生側にとってはなんとも腑に落ちない話である。
これらの悪態が祟ったのか、翌2009年は局側の広告収入赤字による経費削減目的で開催が見送られた。
2年ぶりに復帰した2010年度大会では今のところ大きなトラブルは起こっていない。
『高校生クイズ』でも『鳥人間コンテスト選手権大会』においても、毎年多くの者が熱き情熱を燃やして大会に臨んでいる。
日本の未来を担うであろう優秀な学生達も多数参加しているだけに、様々なしがらみが絡んだ大人の事情で彼らの心を折ることは真っ先に避けなければならない。
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